大学院生活も間も無く終わろうとしているGTBです.今回はその大学院へ入学したときの模様を書き留めておこうと思い記事にします.少々特殊な入試でしたが,大学院で外部の大学を受験しようと考えている方の参考になれば幸いです.
基本情報
私は千葉工業大学で4年間情報通信工学を学んできました.大学入試で国立大学を目指していたものの,残念な結果に終わりました.正直やり切っていたので,未練たらたらではなく,せっかく合格をくれた大学で大活躍してやろう!いい成績を収めて最高の4年間にしてやろう!と意気込んでいました.
そもそも国立大に行きたかったのは,理系として研究をする上で,設備や資金面で大きな差があるから.それでも研究は国立でしたいのであれば,大学院でという選択肢があることは入学した時点でも考えてはいました.
私の大学院における研究室の考え方は
- 千葉工大で大学院まで残りたいと思えるような研究内容,研究室,先生と出会えたなら,そのまま内部進学するのもいいな(3年間研究継続するメリットは大きい)
- 外部院試することになったときに,急にはできないから,早いうちから準備しておこう
でした.どうなるのかはわからないですが,4年生になったときに急に受験しようというのは辛いと思い,1年生の時点で考えていたのです.
1年生 4月 電通大大学院説明会(2018年4月)
大学に入ったばかりで,オリエンテーションとかにも疲れていたころ,高校の同期が大学院の説明会を受けにいくからと誘われました.私は浪人をしていたので,彼らにとっては真面目に院試を考えるフェーズだったのです.
正直この前チャレンジを終えたばかりで,また受験説明会なんて…とは思いましたが,興味はあったので参加しました.
専攻の分け方,入試問題の形式,受験前には研究室で許可を取る必要があるなど,基本的な内容はここで教わりました.その中で一番大きい情報が1つありました.
「自分の所属する組織において上位1/3の成績を収めていれば,電通大の大学院を推薦入試で受験できる」
というものでした.勿論,組織のレベルによって本人の力の評価も変わるので,あくまで受験資格にはなりますが,これで私の大学4年間の指針が立ちました.
「大学では単位を取ればいい,いい成績を取る必要はない.いっぱい遊べ」なんていろんな大人達が言っていましたが,この時,どんなにくだらない教養科目だとしても,本気で取り組み,いい成績をとって,なんなら学年1位を目指して頑張ろう,と決意したのです.
3年生 研究室配属(2020年度)
大学3年生になり,コロナ禍になりました.成績は上位をキープしていました.研究室配属では,いい先生に恵まれ,これから始まる研究室生活を楽しみにしていました.コロナ禍中,大学に通えない期間は,院試を解けるように自分の専攻分野や,それ以外の分野の勉強もめっちゃしていました.電通大でもらった過去問も参考になりました.
先生との面談で,進学するのか,就職するのかという話になりました.私はここで正直に話しました.
「先生のもとで研究をしていきたい気持ちはあります.この研究室で研究したいという気持ちは本当です.でも大学受験をするときに国立大で研究しておきたいと思って頑張ってもいました.だからチャレンジはしてみたいです.」という話をしました.
先生は国立大出身で,その前も研究を国立大や公的な研究機関で働いていた方なので「人生ハッピーになれる可能性も高いし,君の活躍の幅を広げられるのは事実だからね,応援しますよ」と言って下さりました.非常にありがたかったです.
その後先生のご紹介で,ある国立大のC大学の先生を紹介していただきました.外部を受験する上で最もハードルが高いのは,進学希望の研究室へのアポイントメントです.自分を売り込みに行き,先生とお話しして,受験して受け入れていただけるか許可を取らなければなりません.
先生を介して紹介していただき,私の素性も相手に対して伝えていただけて非常に嬉しい状況でした.2021年に入り,大学4年生になるまではそのままC大の入試を受けるつもりでした.
4年生 5月 C大受験できず(2021年5月31日)
C大の先生とはその後も何度もお話しをし,自身の学部時代の研究内容から,そのまま大学院での研究にどのように繋げられるかなどもきちんと話していました.進学を意識した研究をしていたわけです.
5月になり,C大の入試要項が出ました.事件はここで起こったのです.
この年は,コロナ禍もあって,TOEICが抽選式でした.他の大学のそれなりに処置をしてくれていて,間に合わない場合は入試後に提出でもいいとか,2年間に関わらず一度受けていればそれでもいいとか,同時にTOEIC相当の英語試験を行うとか,様々な対策をしてくださっていた年でした.
C大は「自身の大学で実施しているTOEIC IP試験を用いてよい」としていたのです.私は抽選に当たらなかったので,千葉工大で受験したTOEIC IPで申し込もうとしたのですが,書類の形式が合いません.
コロナ禍でTOEIC IPが千葉工大ではオンラインになっていたのです.TOEICの公式的にはオンラインも会場開催のものも全く同じ効力を持ち,スコアを認めるとしていましたが,証明書の形式は異なるものでした.
その旨をC大に問い合わせたところ,「受験を認めない」と言われてしまったのです.これには驚きです.他に受験方法がないのです.C大の先生に事前に確認もしていて大丈夫だと言われていたので余計に衝撃でした.
その後教授会なども開いていただいたそうですが,「C大の内部生は学内試験をしているので外部の人のことは知らない」ということで,結局私は受験できないことに.C大の先生には何度も謝られましたし,自分の研究室の先生は怒っていました.
5月31日に正式に入試要項が改定され,受験できないことが確定したのです.
4年生 6月 他の大学院を受験する方向へシフト(2021年6月1日)
さて,勿論その日は絶望です.本当に落ち込んでいました.先ほども言いましたが,大学入試で一番大事なのは相手方へのコンタクト.既に申し込みが始まっていたり,終わっている大学院も多い中,この時期に突然「受けさせてください!」と言ってくる失礼なやつをしなければならないのです.
もちろん千葉工大の大学院へそのまま進学するという選択もありましたが,私と先生はまだ諦めていませんでした.C大に人生潰されたままでは悔しくてやりきれないというのもありました.
先生の所属する学会に所属する先生や,知り合いの先生を教えてくださったり,調べてくださったりしました.この時点でコンタクトを取るのは難しいですが,旧帝の一部の大学はそもそもコンタクトを取る必要がなく,入試の成績だけで配属を決めるところがあるなど,そういうところも狙うつもりでした.
その中で,自分の研究していた内容から論文を検索したり,大学案内などから検索をしたりして,電気通信大学の先生を発見しました.
4年生 電通大の先生へコンタクト(2021年6月3日)
電通大,私がアマチュア無線をしている中で何度も名前を聞くあの電通大.3年前に入試説明会に行っていた電通大でした.この時点ですごい縁を感じていました.
私はこの時点で首席だったので,例の推薦入試が使えることがわかっていました.あとはその申し込み期日に間に合うかだけです.
6月9日
なんとあと1週間もない!でもまだ間に合います!
これはもう失礼を承知で見つけた先生と話さないことには始まりません.私はメールを送りました.
その上で,推薦入試を使いたいことも正直に話したのです.急ではありましたが,9日に面談をしていただくことになりました.
4年生 TOEFLを受験する(2021年6月5日)
電通大に決めるにしても,その他の大学を受けるにしても英語の試験は必須です.調べるとTOEFLなら今からでも受験できそう.しかも割とすぐに!
受験費用はすごい高かったですし,何にも勉強はしていませんが,「受験した結果がある」ことが非常に重要.私は申し込みをしました.
横浜しか選択肢がありませんでしたが,頑張って受験.
81点でした.まずまずですね.これで推薦入試に仮に落ちても一般入試にチャレンジできますし,他の大学の院試の受験資格も得ました.
4年生 推薦入試申請書を千葉工大で作ってもらう(2021年6月4日-8日)
いくらいい成績をとっているからと言っても,自分の先生以外に,学科長や工学部長の先生方の印鑑や,学校側の許可も必要です.先生方は「大変だ」とめっちゃ協力してくださったのですが,大学の事務を説得するのにえらい時間がかかりました.
本来は1ヶ月かかる,とか,間に合うわけがないと連呼.先生方が直接出てきて書類を作っていただきました.
もちろん,私が悪いわけではないですが,でも書類関係は早めに申し込むというのは皆さんにも覚えておいていただきたいです.
4年生 電通大の先生と面談&入学願書提出(2021年6月9日)
いよいよ先生との面談です.そもそも入試の許可をいただけるか不安でしたが,これはあっさり許可していただきました.研究室で取り組んでいる内容,研究室の見学もさせていただき,入学書類にもサインをしていただきました.
「私が選ぶのではなく,君がこの研究室を選んでくれるならどうぞ」と言われたのが印象的でした.
大急ぎで入試課に持ち込み,書類を揃えて提出をしました.
4年生 電気通信大学推薦入試本番(2021年7月1日)
さて本番です.当日は僕の不安な気持ちを表すかのように大雨で,冷たかった記憶があります.
内部進学した友人達に聞く推薦入試の印象と,私の印象はだいぶ違うので,何を聞かれたか書いておきます.これについては別記事で詳細に載せようと思います.
とても緊張していましたが,15分程度で終了.終わったあとは雨が上がっていました.
4年生 電気通信大学 情報理工学研究科 合格(2021年7月16日)
入試が終わり,2週間以上が経ち,8月に他の大学院を受験しなければならないのかどうかドキドキしながら過ごしていました.
自分の番号が書いてあったときは本当に嬉しかったです.
文字通り泣いて喜びました.
後輩達と焼肉でお祝いしました.
おわりに
いかに普通の入試をしていないかお分かりでしょう.正直,研究室選びにもっと時間をかけられればこの2年間の大学院生活ももっと違うものになったかもしれないと思うことはあります.
でもあの6月1日から9日までのなかでよくやれたと自分で自分を労ってもやりたいです.
突然受けることになった推薦入試,その中で参考にさせていただいたサイトがありました
私と同じように外部から電通大の推薦入試を受けた方のブログでした.
もし今後同じようなチャレンジをされる方の参考になればと思い,今回の記事を書きました.
チャレンジする上で一緒に戦ってくれた先生,支えてくれた家族には非常に感謝しています.
皆さんはアクシデントなく,受験ができることを願っています.
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