2023年7月から日本でも電動キックボードが免許不要で乗れるように,歩道も走行可能になるそうです.そこで今回は2021年にいち早く電動キックボードの環境,車両保安基準,規制などを検討するために千葉市がテスト走行を一般の人向けに行っていましたので,レンタルして乗ってきた話です.
電動キックボードを車道で乗ってみた感想もあります!
SUMRiDE(サムライド)電動キックボードシャアリングサービス
昨今,街中にシャアサイクルつまり貸自転車が置いてあるのをよく見ます.好きな場所で借りて,スマホで貸出設定をし,好きな場所に返すことができるのが魅力的です.
その電動キックボード版と言った感じ.SUMRiDE(サムライド)というサービス名のようです.
今回の試みは千葉市が実施している公的な実証実験.
千葉市では、電動キックボードの走行環境や車両保安基準等、適切な規制を検討するため、(中略)電動キックボードの公道での実証実験を実施してきました。
この実証実験では、特例により長谷川工業が取り扱う電動キックボードのみを小型特殊自動車とみなし、運転時のヘルメット着用を任意とし、自転車レーンの走行が可能となっています。
千葉市HPより
今後の法整備,規制のための実証実験なんですね.
2023年7月から道路交通法の改正により,免許不要,歩道を走れるようになる電動キックボードですが,現状は原動機付自転車扱いであり,免許は必要,ヘルメットも着用義務があります.
しかし,今回の実験ではエリアを制限することにより,ヘルメットの装着を任意化しています.そして,車道に存在する自転車レーンの走行も許可されています.
利用資格がある免許は以下の通り
利用対象者
次の運転免許を有する18歳以上の方
(1)小型特殊自動車免許(大型特殊自動車免許も可)
(2)普通自動車免許(中型または大型自動車免許も可)
(3)普通二輪免許(大型二輪免許も可)
そうなんです,今回の車両は小型特殊自動車扱いで法的には処理されています.だからヘルメットがいらないのですね.
小型特殊の範囲は,普通自動車や普通自動二輪の免許を持っている方ならカバーできています.(私は全部持っていました!笑)
小型特殊の免許を取ってからこれまで小型特殊の車両を運転する機会はなかったので個人的には嬉しかったです.
借りる前の登録
実際にレンタルしてみましょう.まず公式LINEを登録します.
免許証の確認や,支払い設定などを簡単に済ませます.
キックボードを借りられる場所もここから検索可能です.範囲は広いですが,幕張新都心に集中していますね.
借りるときは車両についていQRコードを読み取ります.
乗ってみよう!
ここはイオンモール幕張新都心の駐輪場.日本最大のイオンモールなので,端から端へ移動するのも一苦労です.キックボードがあればすごくいいかも!
車両にはナンバープレート,方向指示器,ミラーなどもきちんと付いています.
ハンドル中央にQRコードが付いているので,これを先ほどのLINEで読み取ります.
今回,ヘルメット着用は任意とはいえ,転倒したら大事故になりますので持参したオフロードバイク用ヘルメットを着用.これでキックボード乗るのか…
撮影のためのスマホも用意.準備万端!ヨシ行くぞ!
乗り方は簡単.普通のキックボードと同じようにけり出して,少し通常通り走行してから,右ハンドルについているスロットルを手前に回します.
左側のレバーがブレーキですね.
車体はなかなかの重量なので取り回しには少しコツがいります.また,エンジンブレーキのような引っ掛かりも感じました.
許可されているので,自転車用レーンも走行します.小型特殊自動車の制限速度は時速20㎞.
原付の最高速度が時速30㎞で,それを皆守ってないくらいの遅さと言えば,いかにノロノロ走っているかがおわかりでしょうか.
電動なのもあり,どんなに頑張っても時速20㎞は越えられません.ノロノロ運転します.
きちんと左折の際はウインカーを出し,後方への巻き込みを確認しながら曲がりますよ!!(モザイク処理するの大変だった…)
車にはガンガン抜かれていきます.時速20㎞なんて自転車のほうが速いくらいの速度です.車からの横風をもろに感じながら走っていきます.これ自転車レーン走ってなかったら危険だなと思いながら走っていました.
割と太めの道路も走ってきました.この時左手にある幕張メッセでは東京オリンピックが開催されていて,お巡りさん達が警備していました.
めっちゃ見られましたが,道路交通法を叩き込んでいる僕に抜かりはありません.
最後はアプリから返却をします.一時駐輪もできるようですね.
感想
この時を最後に私はこのサービスを利用していません.何故なら,めっちゃ危険を感じたからです.
何度も言っていますが,時速20㎞で車道を走る,もっと言えばヘルメットなし,防具なしで走るのは本当に危険だと思いました.
これは日本にはあまり合わない乗り物なのかなと感じていました.
今回小型特殊扱いだったのも問題があります.小型特殊ということは,二段階右折ができないのです.原付には二段階右折をしなければならないルールがあります.これは遅い原付が3車線以上の道路で右折レーンに行くのは危険だから定められているものですが,本来時速20㎞のこのキックボードで適用するべきものだと思いました.
ただ,小型特殊は二段階右折していいことにはなっていないので,事故るくらいなら怒られたほうがいいとは個人的には思いますが,あのキックボードで右折レーンまで行く自信はありません.危険ですね.
7月から免許不要,歩道走行可能になるそうですが,歩行者との事故はもちろん心配ではあります.しかし,機構的に最高速度に制限を付けていれば自転車より遅い乗り物として定着するかもとは思いました.
今後日本において電動キックボードがどう広まっていくか注目ですね.
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