【シン・ウルトラマン解説・感想・考察】 その1 ~きたぞ我らのシンウルトラマン~知ってるとより楽しめる!(大いにネタバレを含む)

感想

シン・ウルトラマンを視聴直後の素直な感想や,気づきをここに書き記しておく.なお「シン・ウルトラマン」のことを「本作」.テレビシリーズの「ウルトラマン」のことを「原点」とする.

なおネタバレを含む記事のため,未鑑賞の方はブラウザバックを推奨.この作品は映画館で自分の目を通して見ることをお勧めする.

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【ウルトラQとウルトラマン,シン・ゴジラとシン・ウルトラマン】

題字から私は大いに興奮した.原点の題字はウルトラQ(以下Q)のロゴが渦を描きながら現れ,そこを突き破るようにウルトラマンの題字が現れる.ウルトラQと本作でも表示されるのかと思いきや,そこに現れたのはシン・ゴジラ.

Qと原点は設定や資料上では繋がりがあることになっていたり,本編中でもQで登場した怪獣が登場人物たちの共通認識として共有されていたりするが,直接語られることはなかった.あくまで前作という立ち位置を題字で示すだけ.でも全く同一の世界観とも取れたり,ちょっと違った似たような地続きの世界観ともとれる曖昧さがいいところなのである.

 つまり,この時点で(もしかするとシン・ゴジラを匂わせるなにか)が本編中に紛れ込んでいるのではないか,という期待を抱いていたのである.

【シン・ウルトラQ】

そんなことを思っていたら突然耳なじみのあるあのウルトラQのテーマ曲とともにQの怪獣たちが,いや“禍威獣”たちが映し出される.特に最初のゴメスはもともとゴジラの着ぐるみを改造して製作された過去がある.一瞬映し出されるゴメスを諸君は見ただろうか.まるで「シンゴジラを改造して作られた怪獣」のようであった.あの不気味な目や不揃いな歯,長いしっぽなどは完全にシンゴジラそのものであった.ここではクスッとさせられた.

次はマンモスフラワーことジュランである.ここで東京駅が映し出される.これによりシン・ゴジラの直接的続編ではないことが確実となるのだ.

 ぺギラは非常に見事だった.南極での戦いも,東京氷河期も両方演出してくださったのはぺギラ好きとしては感激だった.ペギミンHいう固有名詞こそ登場しなかったが,女性生物学者の尽力により撃退したとあった.これは禍特対の船縁さんのことなのだろうか.

ラルゲリウス,カイゲル(ゴーガの初期案名称)と続いて問題のパゴスだ.予告編をみてネロンガとガボラが出ることはわかっていたことだ.円谷はぬいぐるみのリメイクがお家芸といえるくらい怪獣がどんどん違うものに変化していくのだが,このパゴス→ネロンガ→ガボラの順で実はぬいぐるみが使い古されている.特にパゴスとガボラは原子力由来の怪獣で共通項は多いのである.まさかこれが本作で「生物兵器」として共有されているから似ている,という解釈をするとは思わなかった.

【ベムラーを出し抜いて大出世のネロンガ】

まさかのウルトラマンとの第一試合はネロンガであった.彼の能力,凄みを説明する相手として選出されるのは大出世と言えるだろう.

誘電率が〜反射率が〜透過率が〜というくだりを聞き「始まったな」と思った.この時点でゴジラで体感した映画の空気へ流れるように戻っていったのである.

【ウルトラマン降臨】

お馴染みの赤い球体で登場.しかし,かなり物騒な着地だった.まるでガイアの降臨のよう.案の定子供と主人公が巻き込まれてしまう.

スペシウム光線を放つと空気中がプラズマ化していたらしい.この手の話題は空想科学読本で読んだような記憶があるが意識しているのだろうか.

何よりあの特徴的な赤いラインの入っていない体色には驚きを隠せなかった.また予告編詐欺したな…と.スペシウム光線を打つ際に本来赤のラインである部分がチャージで白く発光する表現は神々しさすら感じさせられた.

そしてあの顔はAタイプを彷彿とさせるお顔立ちだった(原点のウルトラマンでは放送中にウルトラマンの造詣パターンが3種類存在しており,後年よく登場する一番よく知られている顔のデザインは最終版であるCタイプ).

【光線エフェクト】

ウルトラマンの光線エフェクトは全て手書きである.それは近年のウルトラ作品でもなのである.飯塚定雄氏という有名な光学合成技師がおり,彼の描く光線エフェクトは非常に美しい.本作のスペシウム光線,そしてゼットンの光線はあえて原点に寄せて描かれており.特にゼットンなんてあのz字の独特なタッチが再現されていて私は嬉しかった.

飯塚氏のものをトレースしたり,CG処理でもしたのかと思っていたが,エンドクレジットを見ると「飯塚定雄 光線画」と書いてあり,非常に納得した.

【過去作との音楽のつながり】

長澤まさみが禍特対へ初出勤する際に流れている曲はシン・ゴジラにおいて蒲田くんの脅威が去ったあと,何事もなかったかのように次の日は通勤している勤勉な日本人の様子を描いているシーンで流れた「Early morning from Tokyo (short)/報道1」という曲だ.今回も禍威獣及び謎の銀色の巨人出現という大事に対してどこか他人事な様子の日本人たちが描かれている.本作で一般人のウルトラマン関連の感想というのはここ以外あまり描かれていなかったように思う.後のザラブ星人やメフィラス星人,そしてゼットンが出現した際も日本人はきっとどこか自分とは関係ないとして普通に通勤し,生活していたのではないかと想像する.

音楽はウルトラQ及び,原点のウルトラマンのBGMがふんだんに使われていた印象がある.特にザラブ戦までは戦闘シーンにおいて当時のBGMがそのまま使われていて泣きそうになった.「科特隊出動せよ」は映画のあと久しぶりに何度も聴いていた.

一方でメフィラス戦以降は一気に「庵野映画」という雰囲気になった.鷺巣節のきいた曲が流れ,緊迫感がひしひしと伝わってきたのが脳裏に焼き付いている.

【ウルトラマンの体色変化とカラータイマー】

神永と一体化した後のウルトラマンは我々のよく知る銀に赤のラインが入ったよく知っている姿になった.ウルトラマン及び怪獣のデザインを手がけたことで有名な成田亨氏の本来のデザインを本作ではかなり尊重して新たにデザインされていることが公開前から知られていたが,まさかカラータイマーの代案までもがここで表現されるとは思わず感激した.カラータイマーをつけることに反対だった成田氏が代案として提示したものといて「体力が減った際にライティングで青くする」などが上がったという.今回赤いラインはみるみる緑へ変化していった.

【ウルトラマンの飛行姿勢と着陸】

原点のウルトラマンでは飛行時は着ぐるみを吊るのではなく,飛行姿勢のミニチュア人形で表現をしていた.その姿勢は妙にしっかり腕が伸びていて,棒のようだった.着陸時はその姿勢のまますとんと地面に降りてくるので,なかなか子供ながらに可笑しさを感じていたのだが...今回そんな姿勢まで完璧に再現されていた.「ウルトラマンの着陸おかしいだろ」と思ったものもいるだろう.あれでいいのだ.あれこそ元々のウルトラマンなのだ.そしてそのあと繰り出される回転技.ウルトラシリーズには「回ればなんとかなる」という伝統芸能があるので是非調べてみてほしい.

ウルトラマンの着地  飛行人形がそのまま降りてくる
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